Cointelegraph、CoinDeskの報道を受け売却説を否定

暗号資産メディアのCointelegraphは、同社が買い手を探しているとする報道を受け、大きなメディア論争の中心となりました。この情報はCoinDeskが匿名の情報源を引用して報じたものですが、Cointelegraphはすぐに反論し、同社は売却対象ではないと明言しました。

当初の記事には、想定される売却額や潜在的な買い手、取引の時期などに関する具体的な情報は含まれていませんでした。唯一の情報源として挙げられていたのは、事情に詳しいとされる匿名の人物でした。記事公開から数時間後、Cointelegraphは内容が事実と異なると公に主張し、複数の事実誤認が含まれているとして訂正を求めました。

Cointelegraphのトラフィックは大幅に減少

売却説を否定している一方で、Cointelegraphが近年で最も厳しい時期の一つを迎えていることは確かです。外部の分析サービスによると、2024年12月には月間訪問数が1,200万件を超えていましたが、2026年9月には約70万件まで減少したとされています。単純に比較すると、推定総トラフィックは約94%減少したことになります。

オーガニック検索トラフィックは別途計測されており、一部の推計では約80%減少したとされています。検索流入は、ダイレクトアクセス、SNS、参照サイト、ニュースレターなどと並ぶ複数の流入経路の一つにすぎません。それでも、大手ニュースサイトにとってこの規模の減少は大きな問題です。特にGoogle検索は、新規読者を獲得するうえで長年重要な役割を果たしてきました。

Googleとの問題とiGaming関連コンテンツ

Cointelegraphの検索可視性が低下した主な要因の一つとして、2025年秋にGoogleから何らかの制限を受けた可能性が指摘されています。10月初旬には検索結果での可視性が急落し、それまで大きなトラフィックを生み出していた多くの検索クエリで、Cointelegraphのページがほとんど表示されなくなりました。SEO業界では、この状況がGoogleのいわゆるSite Reputation Abuseに関するポリシーと関連しているのではないかと見られていました。

Site Reputation Abuseとは、評価の高いドメインの権威性を利用し、本来のサイトテーマとの関連性が低いコンテンツを検索順位向上のために掲載するようなケースを指します。特に注目されたのが、Cointelegraphに掲載されていたオンラインカジノ、ベッティング、iGaming関連の記事の多さでした。

検索可視性が大きく落ち込んだ後、こうしたコンテンツのかなりの部分がサイトから削除されました。そのため、このセクションがGoogleの対応に影響した可能性があるという見方が強まりました。ただし、ページが削除されたという事実だけで制限の正確な原因を特定することはできません。Googleは通常、個別の手動対策に関する詳細をすべて公表しているわけではありません。

Cointelegraphは徐々に検索結果へ復帰

一方で、状況が完全に不可逆というわけではないようです。2026年に入ると、Cointelegraphの一部ページが再びGoogle検索結果に表示されるようになり、サイト全体の検索可視性も部分的に回復しました。ただし、現在の水準は依然として急落前を大きく下回っています。

Cointelegraphは現在も高い知名度を持つブランドであり、独自の読者層も維持しています。しかし、検索流入の大部分を失ったことで、市場での立ち位置は大きく変化しました。長年にわたり世界有数の暗号資産ニュースメディアの一つとされてきた同社の状況は、現代のオンラインメディアが検索アルゴリズムにどれほど依存しているかを示す象徴的な事例ともいえます。

暗号資産メディア全体でトラフィック減少が進む

Cointelegraphの問題は、暗号資産メディア業界全体で起きているトラフィック減少の流れの中でも捉えることができます。ユーザーは現在、ニュースサイトを直接訪れるのではなく、X、Telegram、YouTube、ニュースアグリゲーター、AIサービスなどを通じて情報を得るケースが増えています。また、検索エンジンのアルゴリズム変更が頻繁に行われることで、オーガニックトラフィックの予測も難しくなっています。

その結果、暗号資産メディアは同業他社だけでなく、ほぼリアルタイムで情報が拡散する各種プラットフォームとも競争しなければならなくなりました。特に、これまでGoogleからの流入に大きく依存してきたメディアほど、こうした変化の影響を受けやすい状況です。

CoinDeskは否定声明を受け記事を更新

Cointelegraphの反応を受け、CoinDeskは元の記事に同社の否定コメントを追記しました。ただし、記事そのものが全面的に撤回されたわけではありません。これに対しCointelegraphは、より明確な訂正を求め、未確認情報を確定した事実のように扱うべきではないと主張しました。

この論争が特に注目を集めている理由の一つは、CoinDeskとCointelegraphが直接の競合関係にあり、いずれもデジタル資産市場を扱う世界的に有名なメディアである点です。そのため、この話題は単なる売却報道にとどまらず、情報源の信頼性、ジャーナリズムの基準、暗号資産メディア間の競争についての広範な議論へと発展しました。

今後どうなるのか

現時点では、Cointelegraphが実際に売却されるという公式な確認はありません。CoinDeskは引き続き匿名の情報源を根拠としていますが、Cointelegraph側は買い手を探しているという主張を明確に否定しています。

所有者による正式な確認、具体的な投資家の登場、あるいは実際の交渉を示す証拠がない限り、売却を確定した事実として扱うのは時期尚早です。ただし、トラフィックの急減、Googleとの問題、そして暗号資産ニュースの消費方法そのものの変化を考えると、業界で最も有名なメディアブランドの一つが現在、厳しい転換期にあることは明らかです。

08.10.2026, 22:24
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