入金とスワップはもう慣れましたね。次はプロトコルを「多層ケーキ」のように積み上げる番です。 以下に、コンパクトな戦略マップ、ローンチ用チェックリスト、リスクブロックをまとめました。短時間で流し読みし、そのまま実践できる構成です。
戦略マップ(一目で把握)
| 戦略 | アイデア | 利回り(概念) | 主要リスク | 対象者 |
|---|---|---|---|---|
| L2でのイールドファーミング | ステーブルコイン・プール+自動複利 | 低ガスによりAPR向上 | インパーマネントロス、APR低下 | 「上級DeFi」への入門者 |
| LSTカスケード | stETH/rETH → 担保 → 借入 → ファーミング | ステーキング4%+ファーミング・スプレッド | LTV/清算、LSTディスカウント | 担保運用に慣れたユーザー |
| DEXアービトラージ | DEX/ネットワーク間の価格差活用 | マージン − ガス − スリッページ | 狭いスプレッド、ボット競合 | 経験者/自動化ユーザー |
| ボールトでの自動リバランス | Yearn/Beefy/Harvestがルーチンを代行 | 「起動して見守る」運用 | コード/戦略への信頼、ボールト手数料 | 時間のない投資家 |
| デルタ・ニュートラル | AMM手数料+デリバティブでヘッジ | ほぼ中立デルタでの手数料/ファンディング | 清算、ファンディングリスク | パーペチュアルに精通したトレーダー |
#1. L2のイールドファーミング:ガス低減 → 複利頻度アップ
狙い:流動性をArbitrum/Optimism/Polygonへ移し、適度なAPRのステーブル系プールを選び、自動再投資を有効化。
- 手順:USDCをブリッジ → DEXのUSDC/DAIプールに追加 → 週1自動複利 → ILとAPRをモニタリング。
- ツール:DEX Screener(スプレッド)、DeFiLlama(利回り)、Beefy/Yearnのボールト。
- リスク:インパーマネントロス、スマートコントラクト不具合、TVL増加による利回り低下。
#2. LSTカスケード:ステーキング+レンディング+ファーミングを積む
狙い:ETHをステーク → LST(stETH/rETH)を受取 → Aaveで担保化 → ステーブルを借入 → 借入コストを上回る利回りでファーミング。
- 目安利回り:約4%(ステーキング)+(ファーミング8% − 借入2%)≒ 年率約10%。
- 必須:LTVバッファの確保、LSTのETH対ディスカウント監視、手数料や複利コストの計上。
- リスク:下落/債務増での清算、LST価格の一時的乖離。
#3. DEXアービトラージ:薄いマージンをガス規律で守る
狙い:Uniswap/Sushi等の価格差を捕捉。L2の方が採算が合いやすい傾向。
- 類型:単純(DEX間)、三角(A→B→C→A)、クロスチェーン。
- 例:Uniswapで1 ETH = 2000 USDC、Sushiで1 ETH = 2010 USDC → +10 USDC(ガスとスリッページ控除前)。
- ツール:DEX Screener、ネットワークエクスプローラ(Etherscan/Arbiscan)、自作ボット。
#4. 自動リバランス:手作業よりボールト運用
狙い:プール選定と複利をYearn/Beefy/Harvestに委任—「オンにして監視」。
- 長所:時間/ガス節約、24/7実行、人為的ミスの減少。
- 短所:コード/戦略への信頼が必要、ボールト手数料、常に最大利回りとは限らない。
#5. デルタ・ニュートラル:方向を当てずに稼ぐ
狙い:AMM収益+パーペチュアルのショートでデルタをゼロ近傍に。
- スキーム:ETHをLPに預け入れ → 同ノーションのショートをパーペ上で開く → デルタ中立を維持しつつ手数料/ファンディングを享受。
- 要件:ファンディング/レバレッジ/証拠金の理解。ヘッジは定期的に再調整。
リスク枠組み:「Confirm」を押す前に
分散:プロトコルあたり資本の≤20%、ネットワーク(L1/L2)分散、監査済みコードを優先(レポートも読む)。
モニタリング:LTV/APRの日次チェック、アラート設定、プロトコルのニュース追跡。
緊急計画:ストップトリガー/引出制限、明確なエグジット手順、バックアップウォレット/予備流動性。
時間を節約できるツール
- アナリティクス:DeFiLlama(TVL・利回り)、Dune(カスタムSQLダッシュボード)、Token Terminal(ファンダメンタル)。
- 自動化:Gelato、Keep3r、Chainlink Automation(トリガーベース実行)。
- ポートフォリオ/監視:DeBank、Zapper(マルチチェーンのポジションとアラート)。
よくあるミス — 回避策
- 過度なレバレッジ:ボラ資産で10×は避け、2–3×+ヘッジに抑える。
- IL(インパーマネントロス)の軽視:事前に試算し、相関の高いペアを優先。
- ガスが優位性を食う:トランザクションのバッチ化、L2活用、オペ頻度の削減。
- 理解なきコピペ:自分のリスク許容度と流動性に合わせて調整。
ローンチ・チェックリスト
- [ ] 関与する各プロトコルのメカニズムを理解している
- [ ] 期待収益/リスクとボトルネックをモデリング済み
- [ ] 少額&テストサイクルから開始
- [ ] アラートとモニタリングを有効化
- [ ] 緊急エグジット計画と予備流動性を確保
- [ ] 戦略とネットワークの分散を実施
- [ ] 自国の税務影響を考慮
実践例:コンビネーション構成
- 基盤:ポートフォリオの50%をstETH(年率約4%;LSTプール経由で流動性)。
- 担保:stETHの25%をAaveに担保 → USDCを約2%で借入。
- ファーミング:USDCをCurve/ボールト戦略(約8%、自動複利)に展開。
概算:年率約10%(= 4% +(8% − 2%))。適切なLTVと手数料管理が前提。あくまで目安であり保証ではありません。
上級DeFiの行方
- DeFi 2.0:持続的な流動性モデル、より精緻なインセンティブ設計。
- ストラクチャード商品:自動リバランスと明確なリスクレンジを備えたトークン化戦略。
- クロスチェーン戦略:ネットワーク/L2間の価格・手数料の歪みを活用。
P.S. ベストな戦略は「一番巧妙なもの」ではなく、100%理解し、規律をもって運用できるものです。
免責事項:本コンテンツは教育目的であり、投資助言ではありません。利回りは保証されません。暗号資産の取引には、元本の一部または全部を失うリスクがあります。